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コミック「将棋めし5」 [書評・映画評]


将棋めし 5 (MFコミックス フラッパーシリーズ)

将棋めし 5 (MFコミックス フラッパーシリーズ)

  • 作者: 松本 渚
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/07/23
  • メディア: コミック


近年、棋士が対局中に食べる食事が注目されているらしい。
って、火付け役になったこのコミック自身が、他人事のようにコミックの中で言うんじゃないよ。

今回の食事はホテルのハンバーグ×2,ココ壱の激辛10倍カレー大盛り、この3月に建物取り壊しの関係で閉店したみろく案のきのこうどん。
前巻で棋士人生が終わってしまうほどの絶望に取り憑かれ、友人達の励ましで復活した主人公の物語の続きと、その二人の友人のそれぞれの生い立ちを振り返る対局という、主人公グループ3人がそれぞれ、3人である理由が語られる物語となっている。
それに加えて、二人の中学生の物語が語られる。

ちょっと前までは将棋の物語では、あの絶対王者をモデルにした神のような存在が中心にいる物語ばっかりだったのが、近年ニュースターの登場で多くの将棋物語が変貌した。天才中学生の登場。事実が小説を上回るのが将棋界の実情。

このコミックではその天才中学生に幼なじみの奨励会員の女友達がいたという設定。自分が彼に将棋を教えたはずなのに、彼はあっさりと彼女を置き去りにして上の世界に行ってしまった。そして彼の方がツンデレになっている。平坦な表情でありながら、何か彼女を気にしている。その彼女があこがれの先輩棋士にベタベタするのが気に入らない。しかも次の対局でその棋士と対局、彼女が記録係ではまったく集中できない。そんんな心境を先輩棋士はおそらくは気づいてはいない。なにしろ、「子どもをいじめる大人」としか見てもらえないのだから。彼の方こそ集中できない。
この二人の中学生がどうなるのかは知らない。なにせまだ中学生なんだから。

今回が今までの中で一番中身の濃い物語になったような気がする。
しかし、ただでさえ食べる品数など限られている上に、今後は外出禁止で、注文しかできなくなったので、すぐにでも終わってしまうようで気が気ではない。

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