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書評「薬屋のひとりごと 7」 [書評・映画評]


薬屋のひとりごと 7 (ヒーロー文庫)

薬屋のひとりごと 7 (ヒーロー文庫)

  • 出版社/メーカー: 主婦の友社
  • 発売日: 2018/04/27
  • メディア: Kindle版


ついに告白されました。「猫猫、おれはお前を妻にしたい」
扉の陰でばあやがグッジョブ、と指を立てていました。
ただまあ、問題山積みなので時間はかかるが。
そして、もう1つ残されている彼の秘密を、彼自身は知っているのだろうか。
そのことが一番の障害のはずなのに。

花街の薬屋で満足している猫猫に、官女試験を受けるように言ってきた人物がいる。
先の月の君の側近で今は皇帝の側近に戻った高順。以前後宮に戻る際、受験したが、
誰でも通るはずの試験に落ちて、周囲を呆れさせた過去があるが、今回は包囲網が凄い。月の君からの推薦状はもとより、皇后と皇帝から、3通の推薦状を携えてきて逃げ道が閉ざされた。国のトップ3からの直々の要請。猫猫でなくとも、なぜに!と
引いてしまう。しかも大金を持って監視役をつけての猛勉強を迫られる。
どうやら、西の国から亡命してきて後宮に入った女性を監視するのに、女性の医官助手が必要らしい。医官なら自由に出入りできるが、診察させてはくれないだろうから、信頼できる官女が必要になったとか。
店はどうすると思いきや、試験当日の帰りに、前回の旅で出会った薬に詳しく、就職口を求めていたが、疱瘡の跡がひどくて就職口が見つからない、とにかく明るい男と再会。彼を雇うことで無事問題解決。
試験は悠々合格しただけでなく、なんと首席合格。おかげで初日から妬まれて嫌がらせを受けることに。まあ慣れっこではあるが。
医局官女として5名の官女が選ばれるが、一人は自分こそ首席と思っていたが猫猫にその座を奪われて悔しい思いを持つ良家の娘の姚と、彼女の侍女であった燕燕、それに、仕事をやる気も無いくせに猫猫を見下して意地悪をする2名。しかし、老医官はあっさりとその2名をクビにした。言われた仕事を、こんなの仕事ではないとやらない者など医局には必要ないと。さらに、縁故採用は大嫌いだ、と言ってやってきた猫猫の養父をびびらせる。たえずつきまとう変人軍師と関係あることをすでに察知していた。

最初は距離を置いていた二人だったが、猫猫の能力と膨大な知識を目の前にして、だんだん打ち解けることに。他人の能力を認めることができるほどの性格は持ち合わせていた。

月の君の侍女として燕燕がスカウトされて姚と離ればなれに。二人に禁断症状が。
そして事件が起きて、燕燕は勝手に戻ってしまう。切っても切れない二人の関係にあきれるが、類は友を呼ぶというか、知識も能力も無駄なことは語らない性格も似たような同い年の猫猫と燕燕はいつしか親しくなっていく。何を考えているのか、底が知れない部分は要注意ではあるが。

ということで、今回のメインは、この新人二人との関係を中心において、西の国からやってきた女性と巫女をめぐる物語。そしてラストには衝撃の事実が待ち受けている。
しかし猫猫は事件の犯人の元に単身で乗り込んでいくケースが多い。無鉄砲としか言えない。たまたま犯人にそれ以上の事件を起こすつもりがない、半ば善意から来る犯行でもあったのが幸い。

ということで、主人公は再び王宮に戻ってきました。しかも王宮内を、必要とされるならどこへでも行くことが出来る資格を持って。
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