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書評「りゅうおうのおしごと!6」 [書評・映画評]


りゅうおうのおしごと! 6 (GA文庫)

りゅうおうのおしごと! 6 (GA文庫)

  • 作者: 白鳥 士郎
  • 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
  • 発売日: 2017/07/14
  • メディア: 文庫


空前の将棋ブームである。
もちろん中心は最年少プロの藤井聡太四段。しかし彼がプロになる前から前兆はあった。
一つは実在の棋士村山聖の生き様を描いた映画「聖の青春」。
もう一つがコミック原作でTVアニメにもなり映画化もされた「3月のライオン」。
そしてもう一つが、変態ロリコン本格将棋ノベルであるこのシリーズ。
第1巻が発売された時、出足の鈍さから、作者も編集者もそんなには期待もしていなくて、作者自身が当初予定していた5巻で終了を予定していたのだが、将棋界では発売当初から注目されていて、その期待通り、何と昨年度の「このライトノベルがすごい」の第1位を獲得。おりからの将棋ブームでTVアニメ化も決定!

いいのか!

この変態小説がアニメになるなんて。第1巻の冒頭2ページ、あれが映像で流れるというのは恐ろしい物がある。当然深夜放送だよね。まかり間違ってもNHKってことはないよね。

ものすごい評判に浮かれることなく、今回も変態ロリコンは全開まっしぐら。
JS達によるお医者さんごっこから始まり、初詣に行った帰り、JS一行を家に招いて着物を脱がしていったり。とうとう中学生姉弟子とラブホに一泊してしまう。さすがに問題あるでしょ。
極めつけは、囲碁棋士の放送禁止4文字言葉を絶叫しまくる、とんでもなく危ないお姉さんの登場。実在モデルいるのなら教えて欲しい。

今回は主人公の対局場面は出てこないし、二人の弟子の対局もない。代わりにちょっと泣かせるエピソードがあったり。そしてメインは姉弟子の三段昇段をめぐっての戦いが2局。敵役となる相手は実在モデルがいて、モデル本人とはキャラが違うので迷惑かかるんじゃないだろうかと若干心配もする。ツンデレで素直になれない姉弟子はいつものごとく、行動だけは大胆すぎて主人公に正しく思いが伝わらない。ひと言きちんと言えばいいのにとやきもきしてしまう。まあ主人公の鈍感ぶり勘違いぶりはいつものことなんだけど、それも本人がきちんと言葉で言えばすむことなんだけど。まあJSとJCだからそれでいいのかと思うけれど。

今回も新登場人物がわんさか。実在モデルもいっぱいで、大御所の内藤國雄九段、奨励会で初めて新人王戦で優勝はしたが、年齢制限ギリギリでプロになったイケメン都成竜馬四段、奨励会を退会して三段リーグ編入試験に合格した物の期間内に上がれずに再び退会、再度プロ棋士編入試験に合格してようやくプロになった今泉健司四段、(名前からすると、編入試験制度を創設する元になった瀬川晶司五段もくっつけたみたい)、そして最年少プロの藤井聡太四段。
もっとも、小説内では今泉四段と藤井四段をモデルにしたと思われる人物は、ちょっと嫌なキャラにされている。まあ本人とは異なるのでいいんだけど。

今回の「あとがき」、月並みなんだけど、他の人が書いたのでは同じようなのがよく見られるんだけど、それでもじわっとしてくる。

前回でいつも出てくる観戦記者の正体をばらしたので、今回は堂々と書いてきた。この先どんな風にからんでくるのか楽しみではあるが。というか、この人の対局場面は一度も出てこないが、一回くらい出ても良いのでは思ったり。

何はともあれ、5巻で終わらずに続いてきたのはめでたいことだ。

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