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アニメ映画「心が叫びたがってるんだ」 [書評・映画評]

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少女は丘の上にあるお城に憧れていた。ここに住んでいるだろう王子様に会いたいと。
しかしそこから出てきたのは、見知らぬ女性を連れた父親だった。ラブホというものを知らない少女は、父親が王子様だったのだと興奮して母親におしゃべりした。それがきっかけで父親は家を出て行き、少女はおしゃべりを禁じられた。
自分のおしゃべりが原因で家族がバラバラになったと思った少女は幻の卵の妖精に呪いをかけられ、しゃべるとお腹が痛くなるようになり、言葉を無くしてしまった。

高校2年になった時、担任教師の気まぐれで、毎年学年代表のクラスが行う地域のふれあい交流会に出し物をすることになり、その実行委員に少女を含む4名が選ばれた。いずれも心の中に言いたいことを抱えたまま表に出せずにいる4人だった。
音楽教師である担任がミュージカルをやりたいと言い出し、誰も賛成しない中、「歌なら自分の言いたいことを表現できる」という言葉に少女は何かを見いだした。

実行委員を受ける気も無かった他の3人も、少女の必死に出した言葉にひかれ、その思いを手助けしてみようと思い出す。それは4人にとっても、本当の自分の言葉を表に表すきっかけになった。

しかし、残酷なことに、少女が出会えたと思った王子様は、自分の王子様ではなかった。

絶妙なアンバランスの4人が、これまた微妙な四角関係を描いていく。そして思いもよらない王子様が少女の前に現れる。


いやいや、青春。言葉を無くした少女が言葉を取り戻す過程で、クラスが一つにまとまっていき、さらけだせずにいた本当の自分に気づいていく。
この担任教師、そこまで読んでいたのか。

後半はまさにミュージカル。名曲に乗せての替え歌が流れていく。この演じられたミュージカル、そのままそれだけでもきちんとした物語ができそうな。
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