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映画「TSUNAMI」 [書評・映画評]

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原題を「ヘウンデ」という。
韓国の有数のリゾート地、ヘウンデを舞台に、3組の男女の物語。

主人公は、5年前に大地震による津波が起きた際、漁に出ていて、父とも慕うおやっさんを見殺しにしてしまった若者。おやっさんに自分の娘を頼むと言われた物の、ゆきずりの女性との間に出来た男の子を引き取ったため、好意を持ちながらも近づけない。娘はプロポーズの言葉を待っているというのに。

主人公の弟は海難救助隊に属している。ある日海で溺れかけた女子大生を助けるが、この女、救助隊員に一目惚れしながらもツンデレ状態。しつこくまとわりつかれる物の、本心が見えずに悩んでしまう。おまけに合コンの相手のお坊ちゃま大学生からは、俺の婚約者に手を出すなと殴りかかられてしまう始末。

地震を研究している地質学者はヘウンデが危険な状態にあることを見抜いて働きかけるが、上部はまったく信じない。別れた妻が娘を連れてイベント開催責任者としてやってくるが、娘には自分が父親だとは知らせていないどころか、新しい彼氏まで連れてくる。しかしこの彼氏、娘が迷子になっていてもまるで気にしないとんでもない男。

この3組の男女にメガ津波が襲いかかる。

韓国映画だけに、似たような日本人を思い浮かべてしまう。
主人公は、ダチョウ倶楽部の寺門ジモンにそっくり。救助隊員ははんにゃの金田に似ている。地質学者は神保ナントカという中堅役者に似ているし、その別れた妻は吉瀬美智子にしか見えない。ヒロインの高校時代の同級生でプー太郎の男は千原せいじそのまま。そっくりこれらのメンバーで日本版を作っても成立しそう。

津波が襲ってきて、それぞれにドラマが生まれる。すべてがハッピーエンドとはいかない。お涙頂戴仕立てになっている。こういった作り方、同じ韓国映画の「サッド・ストーリー」に似ているような気がする。あれも別れをテーマにした4つの物語だったが、からみあいとか、救助隊が出てくるところも似ていたり。そう思うと、同じ結果になることが予想できて、まさしくその通りなのがつらい。

お笑い担当の千原せいじ似の男の部分、ありえないことの連続。やりすぎるといかにも作り物という印象で効果は微妙。

この文章の冒頭の写真の親子。その他大勢の群衆の一人なのだが、こんなに津波の近くにいるのに生き残ってしまう不自然さ。冷めた目で見てしまえば馬鹿げているとしか見えなくなってしまうことが損をしている。

日本のタイトルに間違いはないのだが、津波を媒介にして、原題通り、ヘウンデの3つの物語の方に重点を置いた方が判りやすかったかも。

韓国語を勉強して3年半。知っている言葉がいくつも出てくるようになったのは嬉しい限り。
ヒロインが主人公を呼ぶのに、字幕では名前で表示されているけれど、実際にはオッパ(お兄ちゃん)と呼んでいるのがわかるのは意味合いが違って面白い。

ややこしいことを考えずに、ただ感動だけしたい人には良い映画かもしれない。出演者が日本人ばかりに見えて仕方ないことを覚悟すれば。
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