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書評「薬屋のひとりごと 9 」 [書評・映画評]


薬屋のひとりごと 9 (ヒーロー文庫)

薬屋のひとりごと 9 (ヒーロー文庫)

  • 出版社/メーカー: 主婦の友社
  • 発売日: 2020/02/28
  • メディア: Kindle版


帯に曰く「前巻ラストが話題に!」
そりゃそうでしょ。あんな終わり方をされたんじゃ。
でも、安心して下さい。自傷行為で傷ついた体を見よう見まねで応急処置しただけですから。痛みでそれ以上何も出来なかった。
猫猫はこのことから、外科治療もできるようになりたいと一念発起。しかしそれは魔女への道につながる禁断の道。覚悟があるのかとおやじに問い詰められながらも、二人の仲間とともに禁断の書「華佗の書」を手に入れる。仲間の二人、特に負けず嫌いのお嬢様は自立のために決意をするが、料理もしたことがないので外科治療などできるはずもなく、それでも必死で料理を克服しようと頑張る。

「華佗」といいうのは、三国志時代の実在の人物。世界で初めて麻酔術を開発した人として有名。しかし、三国志の英雄の一人、魏の国の王、曹操の頭痛が脳の病と判断して、切開手術が必要と進言したが、当人及び家臣に猛反対され、投獄されて亡くなる。
死ぬ直前に秘伝の書物を牢番に預けたが、とんでもない物を託された、として、牢番の妻がすべて焼却したために、秘伝の術は灰となって消えてしまった。
この物語、実在の話がけっこう多く挿入される。時代はいつなんだろうか。

猫猫以外の誰にも見せることができなくなった体を持つことになった月の君は、招かれて大編成で行くことになる西の都への旅にも猫猫を医官に紛れ込ませて連れて行くことに。なぜかヤブ医者も同行することに。しかし彼があるとき行方不明になったとき、彼が猫猫のおやじの身代わりに連れて行かれることの意味を知る。「上級医官で、長らく後宮の医官として活動し、猫猫と極めて親しい」誰かと勘違いしそうなキャラ。
第1巻から登場しているが、そこまで考えての登場だったのか。
ヤブ医者が行方知れずになった程度では落ち着いて捜索できるが、これがおやじだったら、どんなに取り乱していたことか。そのことに愕然とする猫猫であった。

でまた、物語は前半終了。続きは第10巻で、となるようだが。はたまた新しい奇妙なキャラが新登場。12巻で彼女の秘密が判明するらしい。楽しみにしておこう。



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