書評「薬屋のひとりごと 11」 [書評・映画評]
5巻から続いていた第2章もクライマックス。西の都を収める領主代理の男は、民衆から慕われる領主を演じ続けていたが、本音は民衆を扇動して、ある目的のため隣国に戦争を仕掛けることであった。そのためにはすべてを自分の駒にしてしまう。大災害も自分の人気取りに利用。民衆側に立って政治を行う理想的な領主を演じ続けた。
彼の目的を知って止めようとしても逆利用されてしまい、戦争に踏み切るのは時間の問題。しかし、突然幕が下ろされた。
そして回想として語られる、17年前に起きた大量虐殺事件の全貌。そこで何が行われたのか。
5巻以降、多くの初登場人物が出てきたが、まさかこの人物がこういうことになっているとは。まあ、4巻で登場してきた人物も関わっているので、この段階からこの第2章の内容も踏まえていたのだろうが。
というわけで、作者はこの物語が謎解きのミステリーと言うことを忘れたようだ。
で、事件の幕は下りたが、事後処理がいろいろ残っていて、残務処理は次巻になる。