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映画「さよならドビュッシー」 [書評・映画評]

ドビュッシー.jpg
音楽高校に通う主人公は、ある日不審火により、愛する祖父と、双子の
姉妹同然に仲良く暮らしていた従姉妹を亡くする。
気づいたときには包帯でぐるぐる巻きにされた病院のベッドの上。一人だけ
奇跡的に命が助かり、天才的な主治医の治療で皮膚も完全に治されていた。

この段階で、この物語の重要なミステリーの謎はわかってしまった。
ミステリーファンなら誰でも気づいただろう。だからその後はそのつもりで
眺めていた。

亡くなった従姉妹との約束で、従姉妹に大舞台でドビュッシーの「月の光」を
聞かせるためだけに必死にリハビリを続ける。学校にもピアノの先生にも
見放されたが、たまたまピアノの先生のところで調律をしていた男が
話を聞いて手伝いを申し入れる。魔法のような指導の下、奇跡的に復活を
遂げるのだが、同時に彼女を狙ったかのような事件が連発する。


ミステリーとしてはありふれた部類に入るだろうが、それを超えてピアノ
演奏に引き込まれる。リハビリを兼ねた「熊ん蜂の飛行」の演奏は
十分納得できる。何よりもクライマックスでやっと演奏が聴かれる
「月の光」が流れる場面は、あの音楽と映画が見事に融合した「砂の器」を
思い起こされる。演奏の間に映し出される思い出の場面の映像は感動物。

ピアノの指導を買って出るピアニストで、本物のピアニストの清塚信也 は
風貌がSMAPの稲垣吾郎に似ていて、稲垣吾郎が演じていた金田一耕助を
思い浮かべて、彼が探偵役で事件を解決するのかなと思ったが、周囲に
起きる事件自体は専門の刑事があっさりと解決しちゃうので、ミステリーと
しては少しがっかりさせられる。まあミステリー要素も入った音楽ドラマと
捉えた方が正解なんだろう。

映画を見て、良かったら本も買ってみてもいいかなと思っていたが、
速攻買ってしまった。まあ映画と原作は異なるのだろうが、それでも
かまわないと思わせる内容だった。

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