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「魔王なあの娘と村人A(5) ~リンカンクエスト! ドリアン風味~ 」 [書評・映画評]


魔王なあの娘と村人A(5) ~リンカンクエスト! ドリアン風味~ (電撃文庫)

魔王なあの娘と村人A(5) ~リンカンクエスト! ドリアン風味~ (電撃文庫)

  • 作者: ゆうきりん
  • 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
  • 発売日: 2013/03/09
  • メディア: 文庫



ファンタジー世界の主要住人(=個性者)にも高校生時代があった。一般生徒と同じ場所に学んではいても、一般人(=村人)は石ころ同然の認識しかなく、村人の会話も風の音にしか聞こえない。ましてや個人を識別することなどありえない。
そんな状況の中での学園ラブコメ。
なぜか魔王と一般人村人Aがラブラブ相思相愛関係になる。ややこしいのは、村人の幼なじみの勇者が恋人気取りで図々しく大胆に接してくる。魔王と勇者と言えば正反対極端に相反する存在であるから、複雑な三角関係ができあがる。

そんなシリーズの第5段。
前作では文化祭の全員参加のクラス劇を個性者出演で大成功に導いた村人だったが、息つく間もなく、林間学校が始まった。学校行事には基本的不参加のはずの個性者の大部分が参加すると言うから、クラス副委員長の村人Aの苦労が続く。

何のことはない、オリエンテーリングの時間に、彼らは将来のクエストの予備練習を実践しようとしていただけだったが。
しかし、勇者が途中で脱落。無関係の村人Aが魔王を救出しに行く羽目になる。
無事に助け出したが不測の事態。落盤事故で、我が身を犠牲にして魔王一人を救い出す。意識して呼ばないでいる村人Aの本名を魔王が絶叫するが……。


何で魔王を救出しないといけないのだという読者のツッコミが予想されるが、シリーズを読んできている読者には、実は魔王はリアル世界ではお姫様であり、村人Aこそが姫を守り通す勇者、いやそれを越える英雄なんだと知っている。さすれば勇者こそがリアル世界ではラスボスなんだと認識している。
そしてクライマックスラスト場面はさわやかに感動する。まさにクエストをクリアしたような気分。

毎回表紙裏の扉絵は危ない絵満載なのだが、今回は比較的おとなしめ。

しかし、この本、いろいろな本屋にはしょっちゅう通っているにも関わらず、まったく見かけなかった。同じく本屋になかった別の本のメール案内で注文しようとしたら、ついでにこの本が出ていることを知ったくらい。コミックにもなっているのだから、そんなにマイナーな本でもないと思うのだが。
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