魔王なあの娘と村人A (10) ~Go West! 魔王さまさま!!~

魔王なあの娘と村人A (10) ~Go West! 魔王さまさま!!~ (電撃文庫)

• 作者: ゆうきりん
• 出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
• 発売日: 2015/10/10
• メディア: 文庫

魔王と勇者の２人がただの村人Ａを奪い合おうとするドタバタ学園ドラマ第１０段。
しかし、今回ばかりは買い間違えたかと本気で思ってしまった。
第一に、前巻から進みすぎ。知らないエピソードが思い出話でつぎつぎ出てきて、丸々１冊分買いそびれたのかと思う始末。飛ばしすぎ。
それだけならまだ許されるが、いつもはドタバタコメディーなのに、今回はまるっきりシリアスすぎてついていけない。

勇者がネクロマンサーとロボットを味方につけて、悪の根源である邪悪な魔王を倒しに魔王の城に戦いを仕掛けていく。これがしゃれになってない。リアルすぎる。そして、残念ながら人数が足りなくて最終ボスの魔王にたどり着けない。そしてあろうことか、最終的に邪悪な魔王を倒したのが主人公であるただの村人Ａであり、多くの犠牲を払った後に文字通り倒してしまうと言う。まったくこれまでのシリーズはどこに行ってしまったのか。

今回の物語は関東に住む高校生一行が２泊三日の関西方面修学旅行で、１日目は清水寺ともう１カ所、比叡山なのか鞍馬山なのかそんなところに（まさか高野山じゃないだろうね）。２日目はＵＳＪに。３日目は東大寺の大仏見学と金閣寺に。いやいや実際はそれらによく似たような場所に行くだけなんだが、どう見てもそんな場所に思える。これらがファンタジー風に味付けされているだけではあるのだが、現実世界に近すぎて物語に入り込めない。で、冒頭に書いた場面になってくるのだが、こんな物語を読みたくて買ったんじゃないぞと。

で、最大の問題が、次回１１巻目が最終巻だと言うこと。ここまで広げて、どう収束させる気なのか。