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ハリーポッター死神の秘宝・第18章「アルバス・ダンブルドアの生涯と嘘」 [書評・映画評]

第18章「The Life and Lies of Albus Dumbledore」

すべてを失ったハリーに追い打ちをかけるように、ダンブルドアにも裏切られたように思われる衝撃的事実を知ります。もう何を信じていけばいいのかわからなくなるハリーでした。

朝になっても気分はさえません。傷口を触ってみました。昔は腕の骨がすっかり無くなってしまったこともあります。今回の旅で、額の傷と手の甲の傷以外にあらたに腕と胸に傷跡が増えてしまいましたが、そのことは別に気が重くなったわけではありません。それよりも杖がなくなってしまったことがずっと心を重くしてしまいます。杖は魔法使いの象徴でもあります。この先どうやって自分を守っていき敵と戦えばいいのでしょう。なんとはなしにポケットから折れた杖を出してみます。そしてポーチに入れました。ポーチに入れたスニッチが手に触れました。思わず捨ててしまいたくなりました。このポーチにはずいぶんたくさんの使えない物がしまわれていることか。
ゴドリックハローに行けば答が見つかると信じていました。意気揚々と戻ってくるはずでした。でも何もありません。この先何を頼りにすればいいのでしょう。剣もなければ杖もない。泥棒の写真も落としてしまいました。ヴォルデモートは今頃この若者の情報を得ているのでしょうか。

ハーマイオニーがやってきてもう一度謝ります。その代わりに彼女は写真の男が判るかもしれないと言い出しました。リタ・スキーターの『ダンブルドアの生涯と嘘』の本を手に入れたのです。バチルダへの謹呈本を彼女の家から持ち出したそうです。彼女が生きているときに受け取ったのでしょうがおそらく彼女は読んでいないと思われます。表紙のダンブルドアの写真を見ながらハリーは厳しい表情になります。ハーマイオニーはまだ彼が自分の失敗を怒っているのかと思いましたが、ハリーは命を助けてもらえたのだからいい、と言います。ハリーは急いで写真を捜しました。ほどなく少年時代のダンブルドアと肩を組んで映っている金髪の少年の写真を見つけました。キャプチャーを読みます。

 母親が亡くなって間もない頃のダンブルドアと、彼の友人のジェラート・グリンデルバルト

ハリーは固まってしまいました。あのグリンデルバルトが彼の友人だったなんて。横で見ていたハーマイオニーも自分の目が信じられません。ハリーは彼のことが出てくるページを捜しましたが、断片過ぎるので結局は「すばらしき物」という章を最初から読むことになりました。

ホグワーツをさまざまな賞や名誉を勝ち取って卒業したダンブルドアは世界旅行をしようとします・手始めにギリシャに旅立とうとするまさにその前日、母親が亡くなったというふくろうのしらせを受け取ります。まともな意識の持ち主なら当然するように彼は旅行計画を断念して故郷に戻りました。彼は残された弟妹の面倒を見るために戻ったと言いますが、果たしてどれだけ面倒をみたことやら。彼が弟妹と一緒に歩いているところを見たことがないと隣人が言います。はたして妹は相変わらず閉じこめられたままです。

ダンブルドアがゴドリック・ハローに戻ったまさに同じ夏にバチルダ・バッグショットは甥に当たるジェラート・グリンデルバルトを家に招き入れました。彼は後には例のあの人が現れるまでは魔法社会最悪の危険闇魔法師として有名になりますが、その頃はそんなには世間に知られてはいませんでしたが、闇魔法に関してはグリンデルバルトはダンブルドアと同じく輝いていました。彼はその後は数ヶ月の旅行生活を送ることになりますが、ゴドリック・ハローの大伯母の元にやってきて、誰よりもダンブルドアと親しくなったのでした。ダンブルドアがグリンデルバルトに送った手紙をバチルダが持っていて現物があとのページに載せられています。
二人は「すばらしき物」をお互いに捜していて、マグルに対して優位に立とうとしていたようです。現在ダンブルドアの評価としてはマグルの支援者でありマグル出身者を守ろうとしていた人物となっていますが、あきらかにその頃はそうではなかったのです。おそらく途中で考えを変えたのでしょう。
数ヶ月の友人関係の後二人は別れることとなり、次に出会うのはあの伝説の対決になります。
かわいそうなアリアナが亡くなったとき、グリンデルバルトはその場にいたとバチルダは証言しています。彼は家に戻ってきて、翌日にも出て行きたいと言いました。ポートキーで送り出したのが彼を見た最後でした。
アルバスは妹が亡くなったとき側にいました。兄弟にとってはショックなことです。アバフォースは兄を罵り、アルバスの鼻をへしおりました。
いくつかの疑問が残ります。なぜアバフォースは妹の死でアルバスを非難したのでしょう。彼の埋葬方法に問題があったのでしょうか。妹の死以降アルバスはグリンデルバルトに会おうとはしませんでした。例の魔法社会を賑わす対決があるまでは。二人が少年時代にこのような交友関係があったことはどちらも公にしていません。そしてなお不可思議なのはアリアナの死です。彼女ははたして闇魔法の犠牲になったのでしょうか。アリアナ・ダンブルドアは「すばらしき物」の最初の犠牲者だったのでしょうか。

ハリーは何も信じられません。「すばらしき物」はグリンデルバルトのスローガンだったとハーマイオニーが言います。ダンブルドアのアイデアをグリンデルバルトが実現させたのでしょうか。二人が友人だったというのは疑いようがありません。ハーマイオニーは若気の過ちと言いますが、例のあの人と戦っている今のハリー達とそう変わりはありません。後に考えを改めたとしか理解できません。ダンブルドアはハリーを愛していたとハーマイオニーが言いますが、それさえ信じられません。彼が一番愛したのはグリンデルバルトであって自分ではない。ハリーはテントの入り口に座り込みます。ハーマイオニーは本をバッグにしまうとハリーの頭をなでつけました。


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