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映画「アデル ファラオと復活の秘薬」 [書評・映画評]

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原題を「アデル・ブラン-セックの奇妙な冒険」という。
お転婆娘のアデルの冒険物語かと思いきや、実は単なるフランス・コミックだったりして。
判りやすく言えば、インディー・ジョーンズの女性版かと思ったら、ピンクパンサーシリーズにお転婆お嬢様が加わった物語と思った方がいい。

物語の冒頭、主人公の登場を待っているのだが、出てくるのは、不思議な能力で翼竜の卵を孵してしまって大騒ぎになるパリの物語。大統領とか警視総監とか、順番に人物がまるで尻取りのように出てきて、なぜか主人公のジャーナリスト、アデルにつながる。
そしてエジプトのミイラ発掘となるのだが、冒険譚はほんの数分間。秘宝を奪い合うでもなく、ハラハラどきどきがまったくないままに物語は進んでいく。
アデルの冒険の目的、植物人間状態の妹を助けるため、という内容も、なぜそうなったのか、という話もお笑いでしかないし、冒険の途中に出てきた、アデルと因縁がありそうな謎の教授も、その後まったく出てこないで、物語が終わった後でやっと登場して、これがシリーズになれば意味もあるのだろうが、ヒットしなければ無駄な存在になりかねない。
アデルの目的を達する過程も、何の波乱も困難もなく、こんな展開でいいの、と首をひねるばかり。

はっきり言って、監督はピンクパンサーシリーズを女性版で作りたかっただけとしか思えない。だから、最初からそのつもりで見るならば不満はないのだが。

主役のルイーズ・ブルゴワンは、「お天気お姉さん」として、毎回違ったファッションで話題になった人らしい。この映画でも、死刑間近のある人物を助けるために七変化を見せて笑わせてくれるのだが、結局はその努力も何の意味もないことになって、単にお遊びがしたかっただけ、という印象だけが残る。
この映画、無駄な部分を一切省けば、15分くらいで終わってしまう映画だったような気がする。
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