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TV大河「江」31話 [見たよ聞いたよ]

第1回から出ずっぱりだった秀吉がとうとう亡くなった31話。
今回の秀吉はきわめて判りやすい人物として描かれていた。
裏の狙いが誰の目にも明か。何に怯え、何を求めていたのか。

史実として江との関係はよくわかってはいない。
浅井3姉妹のうちなぜ江が最初に嫁に出されたのか。茶々でないのは
明白だがなぜ初ではなかったのか。そして戦が始まる前に策略で
あっさりと呼び戻したのも、まあ茶々の機嫌を取るためだったのかも
しれないが実に素早い。

3姉妹の仲では唯一江だけが秀吉の養女となっているのは単純な理由。
初が政略とは無関係の恋愛結婚だったから何の策も必要なかったが、
江の場合には織田家や羽柴家にとって敵である浅井の娘という
立場での嫁入りでは都合が悪いから養女にしたのだろうが、

とにかくいろんな事情があったにせよ、江が秀吉の近くにいたのは
事実かも知れない。そして悪いようにはしないという、よくある
言葉通り、江にとって一番良いように嫁入りさせている。
血筋的に一番都合の良いように政略結婚もできただろうに、自分の
身内と一緒にさせるというもったいない結婚もさせているのは
ある意味罪滅ぼしなのか。そして当時としては最良と言える
徳川家への嫁入り。2度も出戻った後としては異例かも。
それも織田家の血を引く者としてではなく豊臣の養女という
立場からの政略だが。

江にとって秀吉がどんな存在だったのかこれは想像でしかない。
こんな感情のやりとりが事実としてあったかもしれない。
それは秀吉が持っていた奇妙な魅力なのかもしれない。
そうでなければ茶々が側室になるわけもないだろうという。

そういう物語の流れは別として、今回の大河はえらく省エネの
物語とも言える。
たとえば、今回秀吉が亡くなるまで、とうとう第一の親友であった
はずの前田利家が登場しなかった。
臨終間近の他のドラマだと、枕元に5大老5奉行を集めて秀頼を
頼むとみんなに呼びかけるのに、今回はそういう場面がなかった。
5奉行にしても最後まで三成しか出てこない。
福島正徳や加藤清正は朝鮮に渡っていたからまあよいとしても
これから出てくるのかも不明。
江と直接関わっていなければ出演させる必要もないということか。
しかし、江の娘が前田家に輿入れするのだから会っておいても
よかったものの。
(春日局の父親斉藤利光とは史実めちゃくちゃで会わせているのに)

省エネと言えば家康の家臣も、徳川四天王と呼ばれているのに、
出てくるのは本多正信ばかり。まあ秀吉にとっての黒田勘兵衛同様の
人物だから許すとしても。いずれにしても側近の少ないこと。

秀吉の側室も本当はもっといるのだが、江をかかわりがある人物だけに
なってしまっている。まあそれはしかたがないか。

秀吉臨終の場面は、老夫婦が過ぎこし人生を振り返る場面で終わり、
同じ構図で新しい時代を生き始めた若夫婦の場面に重ねる。
恩讐いろいろあれども江にとって秀吉とは何だったのか。
臨終の場面では誰もがその死を悲しんだのは事実かも知れない。


しかししかし、最後の最後まで、江と秀吉のやりとりは、てるてる家族に
しか見えなかった。

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