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映画「あなたへ」 [書評・映画評]

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富山で定年を迎えた男は工芸技術を生かして嘱託として残るが、病気の妻が亡くなる。
ワンボックスカーに手製の台所一式を備えて二人で旅行をしたいねと言っていたのに。
ある日、妻からの2通の遺書を預かったという人が現れる。1通は直接男に手渡すが、もう1通は生まれ故郷の平戸の郵便局局留めとして送るので、受取期限の10日間の内に取りに行って欲しいと。
渡された手紙には、遺骨は平戸の海に散骨して欲しいと書かれていた。さてもう1通には何が書かれているのだろうか。悩んだ末に男はその手紙を受け取りに向かう。あのワンボックスカーで。


設定自体がとんでもないし、あまりにも偶然が多すぎる。
普通に新幹線とかを使えば10時間で着いてしまう。郵便局がしまる時間も考えれば1日半あれば十分。車でも高速道路を使えば同じくらいで着くと思うのに、男はぎりぎりの日にちで手紙を受け取る。いくら行くのを迷ったとしてもかかりすぎ。
おまけに時間が限られていると言うにもかかわらずに途中でしっかり道草を食っている。
亡き妻との思い出の場所を訪れるのはいいとしても、時間が限られていることをどう思っているのだろうか。さらに言えば、いくら地の道を走ったとしても時間がかかりすぎ。
おまけにわざわざ偶然の出会いを待っていたかのように、いろいろな人物と会うのもできすぎ。

さらにとんでもないのが、平戸で散骨を頼むのに、何もよりによって台風が接近しているときに頼みに行かなくてもいいじゃないか。そんなの普通でも断られるのが決まっているのに。

偶然の出会いがわざとらしい。妻が引き合わせたと考えるらしいが、寄り道していなければ、あるいは列車で行ってればそんな出会いもなかったし。物語のためだけに作った設定のようで、いい加減な物語に思えて仕方がなかった。

登場人物は少なくてわかりやすい物語なのに、役者を使いこなせていない。
SMAPの草彅君っておしゃべりな設定だとどんどん嫌な人間に見えてくる。
彼を饒舌な人物に設定するのは間違いだと思えてくる。
山頭火の好きな元高校教師、実は泥棒のビートたけしが雰囲気がよく出ていて良かったのが惜しまれる。

劇中に歌われる,宮沢賢治作詞作曲の歌が良かった。これだけで持った映画かもしれない。
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