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書評「新教場」 [書評・映画評]


新・教場

新・教場

  • 作者: 長岡弘樹
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2023/03/15
  • メディア: Kindle版


木村拓哉主演で話題になったTVドラマ「教場」の第6作目。
おそらくは、4作で終了予定ではなかったかと思われる。
警察学校の恐ろしく事件・人物の内実を瞬時にして見破る隻眼の鬼教官。
風間公親。
1・2では2期分の生徒間で起きる事件を描いていて、TVドラマでは、
この2期分を1期の生徒に集約して放送。結果続編のTVでは、後の本から
無理矢理引っ張ってきた関係で、若干の齟齬が生じる。

第3巻では、彼がなぜ片目を失ったのか。現役刑事時代での、有望な新人刑事の
指導官としての活動が描かれ、最後の事件で、女性刑事平優羽子との関わりの中、
連続通り魔に遭遇して片目を失う。
そして第4巻は、その数年後、警察学校に風間の後を追うように平優羽子が
新人教官としてやってきて、風間の最後の教官としての指導が行われる。

ということで、第4巻が最終のような形態だったのが、第5巻では、再び
過去に戻って、勝て目を失った直後に復帰して指導を行う様子が描かれ、
なぜかもう一度平優羽子と組むことになり、そこで、彼の目を奪った犯人が
彼の命をも狙っていることが判明。警視庁は保護のため、犯人の手の届かない
警察学校の教官として彼を送り込むことにした。

という流れで、今作は、その直接の続きの話となる、警察学校の教官1年目の
生徒間で起きる問題。そして、なぜかプロローグでまたまた平優羽子が一瞬だけ
登場する。作者のお気に入りキャラなのかも知れない。

しかし今作は、途中退場する生徒続出。6人が事件を起こして学校を辞めていった。
逆に言えば、風間公親でなければ気づかなかった不祥事も多い。見逃して
警察官になっていた者もいるかと思えば、昨今の警察官による不祥事事件の
多発も納得してしまう。

今後物語はどちらの路線で展開されるのだろうか。
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