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書評「棋承転結 24の物語 棋士たちのいま」 [書評・映画評]


棋承転結 24の物語 棋士たちのいま

棋承転結 24の物語 棋士たちのいま

  • 作者: 松本 博文
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2023/06/20
  • メディア: Kindle版

雑誌連載の4週連載インタビューを元にした内容のまとめ本。
24人の元を含む棋士・女流棋士の物語。連載中に加え、本の出版現在も追加。

24人中女流が7名。内LPSA関係が5名、というのも、LPSA創設時、
将棋連盟との冷戦からさまざまな圧力があり、LPSAサイドだった、著者の
mtmtさん(ハンドル名)は渦中にあり、将棋会館出入り禁止処分があったり、
女流タイトル戦の取材拒否で対局場入場を阻止されたり、実害をこうむった
過去がある。
LPSA側も内紛から組織替えもあり、連盟側も改革が行われた結果、現在は
共存共栄時代に移り、交流も行われるようになって、当時を知る人も
少なくなった。何より新しく女流棋士となった20数名はLPSAが主催する
女子アマ大会出身者がほとんどで、何のわだかまりも持っていない。
そんなこともあって、内紛時代の話題は最小限だけで平和な関係の話が
綴られている。あと、20数年もすれば、当時の話も公にされるのだろうか。

将棋ライターとして、深く内容を知っている人の本だけに、手の内は
押さえつつ、読みやすい内容の本となっている。少なくとも、これまで
多くあったインタビューを元にした本の中では一番読みやすくわかりやすい
本だと言える。まあ、4週にわたって連載しているということもあって、
話がだらだらと流れずにまとまっている。

著者のmtmtさんとは何度かお目にかかっているし、「99人の壁」にも
何度も出演されたり、けっこう露出も多い人である。そういう個人を知って
いるから読みやすいと思えるのかもしれないが。

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