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映画「恋の罪」 [書評・映画評]

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渋谷の風俗街で殺人事件が実際にあったそうな。その事件にインスパイアされてできた映画だとか。
奇妙な殺人事件を背景に、夜の顔と昼の顔の2つの顔を持つ3人の女性の物語。

渋谷のラブホテル街で女性のばらばら殺害事件が起きた。ばらばらな遺体はマネキン人形をはめあさわれ、あたかも2つの遺体があるように見えたが、鑑定では一人の女性だった。しかし頭部と手足が持ち去られており、個人を特定できるものはなかった。
行方不明者は100人を超え、風俗嬢と思われて行方不明者の写真と厚化粧の顔とは違いが大きいことも特定できない理由の一つではあった。

担当の女刑事和子には夫と娘が一人いた。なかなか家庭を顧みられないのだが、家族は文句は言わない。しかし距離があきらかに生じている。そしてしかも和子は夫の後輩と情事を重ねる身ではあった。心では辞めようと思っていても、体はその男を欲している自分がいた。

遺体候補の一人、いずみは人気作家の妻として玉の輿に乗っかったが、なぜか夫は毎朝7時きっかりに「出勤」し、夜9時に帰宅するという毎日。夫を愛しているから不満はなかったが、一緒に食事を取ることもなく、抱かれることもほとんどない。時間だけが過ぎていくことに飽きてきた頃、外に働きに行きたいという申し出を夫は快く承諾したが、それが転落の始まりだった。スーパーでの試食コーナーに立ついずみに女性がモデルの勧誘に来た。話を聞いて世間知らずのいずみでさえ、それがピンク産業であることはわかっていたが、好奇心がいずみを引きずり込んだ。
事務所を訪れた1日で行くところまで行ってしまい、手にした大金にむしろ新鮮な気持ちさえ感じていた。

遺体候補の一人美津子は大学の助教授。大学教授だった父親の影響で同じ大学で文学の講義を行っていたが、淫乱な父親の影響を受け、父が亡くなって以降、夜の世界に入り込む。街娼として毎日男を誘い込む生活。

いずみは夜の渋谷で夜の顔の美津子と出会う。そして抜けることのできない深みまで引きずり込まれてしまう。

そして行き着いた先に事件が起きた。


ただただエロいだけの映画。しかし3人の物語はしっかりはしているが。しかしドラマだけに、真犯人があそこまで犯行を行える物か疑問。遺体をばらばらにしてマネキンとつなぎ合わせる作業など、現実には時間的なことやもろもろ、実際には起こりえない。

物語が終わっても、女刑事の環境は何も変わらない。ますます深みにはまってどうしようもない結末を迎えることが予想できてしまう。他の2名の物語がしっかりできているのに、これだけがすごく違和感がある。時間的経過もそうなのだが、殺人事件の発端の物語に対し、これだけが事件後の物語だから浮いてしまうのだが。

ある意味、気持ち悪い映画ではある。
他の登場人物にそんなに嫌悪感は起きないのに、女刑事の情事相手の男だけがやけに気持ち悪い。お笑いコンビの片割れなんだが、最近彼ら自体を見ないせいもあるのだが。
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