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書評「王狩 3」 [書評・映画評]


王狩(3) (イブニングKC)

王狩(3) (イブニングKC)

  • 作者: 青木 幸子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/11/22
  • メディア: コミック



6年前、将棋祭りが開催されている百貨店で、落雷による停電でエレベーターが
止まってしまう事故に4人の少年少女が遭遇する。
3人の少年はその将棋大会に出場するためにやって来た、9歳が一人に8歳が
二人。6歳の少女は入院中の祖父のために将棋盤・駒を買いに一人でやって
来ていた。

外部と連絡が取れない中、エレベーター内に貼ってあった将棋祭りのポスターに
祖父の友人の名前を見つけた少女は、驚異的な記憶力で半年前にちらっと
見せてもらった年賀状に書かれていた電話番号を記憶の中から呼び起こす。

鳩首されるでの間、3人の少年達もそれぞれの非凡な才能を見せつけていた。
後日その将棋大会でその3人が1位~3位に入ったことを知った少女は、
これまで関心を持たなかった将棋をやりたいと祖父に申し出る。こんな
すごい子供達と同じ世界を体験してみたいと。

6年後、4人はプロ棋士になるエリート集団奨励会に在籍していた。
3人の少年は「次世代の津波」と称され、プロ入りが確実視され、タイトルを
取るのも時間の問題とさえ騙られていた。
少女はまだ下のレベルではあったが、非凡な才能は目につき、女性で
奨励会を抜けた者は一人もいない中、もし抜けることがあれば彼女だと
誰もが思っていた。

明日の将棋界のスター誕生をもくろむ将棋連盟幹部たちは、少女を鍛える
ことを目的に様々な方策を採っていく。
彼女の欠点をえぐるようなライバルをあてがって、少女の闘争心を
むき出しにするように仕向けたり。

そして、おもちゃメーカーの協力で奨励会全員参加の棋戦を始めることに。
目的は4人の少年少女を引き上げること。彼らに特別に「勝て!」とさえ
厳命する。周囲の反感を承知で彼らは勝ち上がっていく。
4人のうち最年長の少年は一人関西所属で、問題なく勝ち抜いて代表になる。
3人の少年少女はくじ引きの運で準決勝・決勝で当たることに。

驚異的に勝ち上がった少女は、準決勝・決勝で2人の少年と対決。
そして実力プラス何かでとうとう関東代表に。
決勝戦は三段と2級の戦いという、ハンデを付けないと話にならない戦い。
敗れた2名の少年はそれぞれ記録係と解説係に。
本音と建て前が交錯する。

将棋を離れれば仲の良い少年少女ではあるが、盤を向き合えば激しい争いが
行われる。いや、将棋がなかったなら彼らの関係事態が生み出されなかった
だろう。


絵柄は派手。狩を行う若者の対決様式。
そんな中、絶対記憶を持つ少女の感情が揺れ動く。

作者の青木幸子さんは、先日僕が参加した東京での将棋イベントに
来ていたらしい。そんなに多くはない参加者だったから、知っていれば
写真ぐらいは撮ったのに。

今号でとりあえず第一部は終了とか。近日、数年後の彼らを描く第二部が
始まるらしい。

プロを目指す少年少女がストレートに登場し戦いを挑み合う。
これだけはっきりしていると嫌みもない。
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