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書評「薬屋のひとりごと 3 」 [書評・映画評]


薬屋のひとりごと 3 (ヒーロー文庫)

薬屋のひとりごと 3 (ヒーロー文庫)

  • 出版社/メーカー: 主婦の友社
  • 発売日: 2018/04/27
  • メディア: Kindle版


前巻の感想で、後宮責任者の正体がいつ判明するのだろうか、と書いたら、いきなりこの巻でばらしてしまいました。
まあ、前巻で、いつか話さないといけないと語ってはいたけれど、偶然の出来事で、主人公が触ってしまうと言うアクシデントでばれました。主人公としては知りたくなかった、ということで、説明をしようとしても耳を塞いだので、秘密の半分しか伝えられなかった。まあ本文では後の半分も読者には知らせていましたが。

ただ、そのことが中心になったので、本編シリーズのメインのミステリー部分がちょっと物足りない。細々した謎は解き明かすのだけれど、どうにも大がかりな政治的意図がからんできて、あまり深入りしたくない主人公は思考を停止してしまっている。
まあ主人公が本当に相手の正体を知りたいと思えば、いくらでも推理はできるのだが、知りたくないという意識が働いてしまって、こちらにも深入りしようとは思わない。
なので、彼がなぜ主人公にすべて話そうと思っているのか、その理由までは考えない。
もっとも、2人をよく知る周りの者たち、彼の乳母でもあった現在の一人だけの侍女や、側近の男、帝、そして、わずか10歳で帝を産んだ皇太后などは、何やら二人をくっつけたがっている。そんな周囲の思惑など主人公はまったく気がつかない。気がつきたくもないということか。
作者はこの物語がこんなに長く続くとは思っていなかったのだろう。早々と展開を進めて行っている気もしないではない。

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