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書評「薬屋のひとりごと 4 」 [書評・映画評]


薬屋のひとりごと 4 (ヒーロー文庫)

薬屋のひとりごと 4 (ヒーロー文庫)

  • 出版社/メーカー: 主婦の友社
  • 発売日: 2018/04/27
  • メディア: Kindle版


主人公が直接仕える王妃の出産の時期が近づいたが、主人公の見立てではどうやら逆子らしい。許しを得て応急処置は施したが、いざ出産となると非常に危険が伴う。ヤブ医者しかいない後宮では不安だらけ。ということで、極めて信頼できる、10数年前に追放された医官を呼び寄せることに。
そしてそれと入れ替わるがごとく、主人公が謎の失踪をする。同時に、1人の下女と新しく入ってきた謎の宦官も消えてしまった。しかも、下女には登録簿には名前はなく、宦官も身元不明で紛れ込んできたらしい。
慌てて消息を調べまくる周囲だが、判明したのは、4人目の王妃として入内した王妃の姿もなく、体形のよく似た侍女が入れ替わり成りすましていたという。
国家を揺るがす壮大な陰謀が進行していた。はたして・・・
今作はミステリーと言うより、かなりサスペンスドラマとなっている。

安心して下さい。主人公は無事に見つけ出されます。しかし、扉絵で、麗しの貴人の頬に、一生消えることがないだろう大きな傷が付けられている絵が描かれていた。

前巻で、この貴人の秘密の半分が、伝えたいと思っている当人の意志とは関係なく知ってしまう場面があったが、今回は残りの半分も物語が進むにつれて主人公が知ってしまうこととなる。そして、これまで未解決で本当の犯人が誰なのか、なぜそんな事件を起こしたのか、曖昧にしていた内容も明かされることに。意外な人物の正体も判明したりとか、一気にクライマックスに流れていく。やはり作者はこの4巻で終了するつもりで
書き始めたような気がする。

ラスト、それぞれの人物が、本来あるべき位置に戻ったり、ついたり。
麗しの貴人は、傷を受けたこともこともあり、本来の地位に戻り、王子を産んだ
王妃が正式に妃となり、後宮にいる必要がなくなった主人公は花街に戻ったり、腕を請われた元医官が後宮に復職したり。
で、主人公二人の縁が切れたかと思いきや、こっそりお忍びで訪問したり。
まあこれで終わってもいいんじゃないかと。

一応、まだまだ事件は起きますよと言う兆候だけは見せたり、ラストに登場する「玉藻」って、九尾の狐ですよね、象徴的に。
後宮に縁の無くなった主人公が復活するか疑問だが、あるいは、何かの事件が勃発して要請されて戻ってくるのかな。

2巻以降冒頭や序盤で、ある人物の幼いときの記憶が語られるが、今回は、最初に読んだだけでは、誰の記憶かまったくわからなかった。まあそれもそのはずだが。しかし驚かされましたね。そこまで仕組まれていたのかと。
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